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カテゴリー「「新」いじめ対策法へ向けて」の記事

2013年9月26日 (木)

(4)いじめ防止対策推進法に欠けているもの:「新」いじめ対策法に向けて~いじめ自殺遺族への15年取材から

いじめ防止対策推進法」が、今月28日から施行される。

出鼻をくじくようだが、この法律に対しては
いじめ自殺遺族から、物足りなさを指摘する声も聞こえてくる。

法律は第28条で、
生命を脅かすような重大事態が発生した場合は
学校や自治体に調査及び被害者側への報告を義務付けた。
附帯決議においては、調査機関に専門知識や経験を持つ第三者を参加させて
公平性・中立性を担保するよう努める方針も定められた。

附帯決議の方は法的拘束力はないため決して十分ではないが、
遺族の「知る権利」の観点からは前進といえよう。

だが問題なことに、この調査機関には、
いじめと自殺との「因果関係」の有無を判断する権限は与えられていない。

これでは、せっかく外部の者が調査に入っても
最終的に因果関係を認めるかどうかは、学校や自治体の意向に委ねられることになる。
学校側が認めなければ、遺族は裁判を起こして争わざるを得ない、
という構図は依然として残る。

98年に発生した福岡男子高校生いじめ自殺事件の遺族は、
「このままでは形だけの調査になり、学校側の隠ぺい体質は変わらない」と訴えている。

また、私個人としては、
第2条でいじめの定義を「児童対児童」の間で発生する行為に
限定したことも引っかかる。
「教師からのいじめ」は対象外とするのか?

文科省によるいじめ定義では
広く「一定の人間関係のある者」からの行為を対象にしていたが。
新しい法律はなぜ、狭めたのだろうか。


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2013年9月 4日 (水)

(3)文科省がいじめに関して学校心理士に教えないこと:「新」いじめ対策法に向けて~いじめ自殺遺族への15年取材から

Photo_2
 「日本学校心理士会研修会」において
 文部科学省初等中等教育局児童生徒課が行った
 講演内容を
 関係者の方から入手した。

「いじめ・体罰への対応について~学校心理士への期待~」と題された講演。
レジュメには、いじめの問題に関する緊急調査結果や文部科学省の取り組み、
いじめを理解するための生徒指導理論が紹介されており、なかなか読み応えがある。

一方で気になる点も。
「いじめの状況」を概観する項目において、紹介されているデータは
「いじめの認知(発生)件数・率の推移」のみ。

これだけ?

「いじめの後に自殺した件数」は出さないのか?

もちろん、
いじめと自殺の因果関係が定まっていなければ
やすやすと「いじめ自殺」として統計がとれない事情はあるだろう。
それでも、
「自殺者がいじめに遭っていたと報道された事案数」や
「いじめが自殺の原因として争われた訴訟数」を紹介することは出来たはずだ。

ただでさえ、学校側は在校生の自殺を「不慮の事故死」として計上したがり、
「自殺数」の実態が表に出にくい傾向がある。
2012年に兵庫県川西市で
いじめを受けていた県立高校2年の男子生徒が自殺した際も、
学校側が「不慮の事故」と表現することを遺族に頼んだ件は記憶に新しい。

ましてや学校心理士といえば、
スクールカウンセラーや養護教諭として
子どもを援助することが期待される立場である。
この人々に、いじめが子どもを死に至らしめる深刻な実態を知らせることは
大きな意義があろう。


20130826_2文科省の対応を、
いじめで子どもを亡くした親は
どう見たか。


98年に発生した福岡男子高校生いじめ自殺事件の遺族。
やはり息子の死は「不慮死」として処理されている。
今回の講演内容に対し、こんな手紙を送ってこられた。

「文科省の守りの姿勢にもうんざりです。
末端の教師はほとんどが理解することなく
子ども達を教育しているのではないでしょうか?」

講演に参加した学校心理士の1人は
「自分たちの施策の羅列で、心に響かない」と感想を述べていた。

「いじめ」について、いま現場の教育者たちに何を伝えるべきか。
国として改めて考えてもらいたい。


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2013年7月19日 (金)

(2)教師のいじめ対応:「新」いじめ対策法に向けて~いじめ自殺遺族への15年取材から

名古屋市の中2の男子生徒が今月、自殺したとみられる問題で、
担任教師が自殺をあおる発言をした可能性が報じられている。

また同じ時期、栃木市の小学校でいじめに関するアンケートを実施した際、
「腕を鉛筆で刺された」「たたかれた」等と回答した3年生の児童2人について、
担任教師が「あれは、いじめではないよね」などと言い含め、
「いじめなし」と加筆したことが明らかになった。

福岡男子高校生いじめ自殺事件の遺族は、
学校に、いじめアンケート原文を焼却された経験がある。
いまだ続発する学校側の不適切な対応に、
「まだそんなことをやっているのか。私たちの事件の頃と何も変わっていない」
と憤る。

学校内で子どもに最も近い存在の大人は、担任教師である。
その教師たちは、いじめを受ける子どもの気持ちをどれだけ理解し、
尊重出来ているだろうか。

「栃木の件では、小学3年生の子が勇気を振り絞って
いじめ事実を打ち明けたのだろうに。
嫌な思いをさせられることを『いじめじゃない』と教え込む教師がどこにいる。
この子ども達は、大人に不信感を持って育つだろう」
と遺族。

また、被害を訴えた子どもにいじめの定義を云々するよりも、
まずは「加害者への指導」が優先されるべきなのは言うまでもない。
名古屋の件でも、
もし報じられているような教師の発言が事実だとしたら、
被害者は「教師も加害者側についている」と
見放された思いになったかもしれない。

幼い子どもはまだ心がピュアなため、その人格形成に教師が与える影響は大きいと
福岡の遺族は考えている。
亡くなった洵作さんは、小さい頃から好奇心旺盛で落ち着きがなく、
周りの大人に押さえ付けられて萎縮することがあった。
だが小学校に上がると、そんな姿を担任教師に長所と認められ、
「自分はこれでいいんだ」と伸び伸び振る舞えるようになったという。

いま、遺族は教師たちに問いたい。
「子どもがいじめ被害を安心して報告出来る環境を作ることが
あなた方の役目ではないのですか。
無色透明な子どもを、どんな色に染めるつもりですか」


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2013年7月11日 (木)

「新」いじめ対策法に向けて~いじめ自殺遺族への15年取材から:(1)はじめに

あるいじめ自殺事件の遺族から先日、私の元に連絡が入った。
「もう、マスコミからの取材に振り回されたくない」

聞けば、インタビューに応じてもマスコミ側の都合でカットされたり、
一部だけが切り取られる形で報じられることが続いたという。
「何かある時だけ取材に来てインタビューをつまみ食いされても、
自分達の考えは伝わらない」と遺族。

この遺族の事件とは、
1998年に福岡県飯塚市で、当時高校2年生の16歳、古賀洵作(しゅんさく)さんが
同級生たちによる恐喝を受けた直後に自殺したもの。
マスコミに大きく報じられ、私もテレビ局報道記者として、
事件発生時から取材を重ねてきた
(参照:「いじめ自殺 親のそれから」・「いじめ自殺報道とメディア・リテラシー」)。

もっとも、遺族にとってマスコミに顔を出すことは、プライバシーの面でリスクもある。
最近ではマスコミからの取材は基本的に断っており、たまに特別に応じると
冒頭のような目に遭ったという。

とはいえ遺族は、
自分の息子が亡くなって15年も経つのに、いまだ相も変わらず
いじめで命を絶つ子どもが頻発する現状に、もどかしさを抱く。
この6月に誕生した「いじめ防止対策推進法」にも、不備があると感じる。

「もっとしっかりしたいじめ対策法の立案に向けて、
ずっと付き合ってきたあなたが私たちの考えを包括的に発信してくれるなら、
協力してもいい」

私は、この申し出をお受けすることを即断した。
というのも、遺族の取材を続けて早15年。
手元には膨大な量の記録がある。
この取材記録をいずれまとめなければ、と思いながらも
忙しさにかまけて延び延びになっていた。

在籍中の博士課程をちょうど今夏で終えることもあり、
これを機に、いじめ問題に腰を据えて取り組まねばらないと
背中を押された気がしたのである。

いじめ自殺事件の遺族が
事件の5年後、10年後にどのように暮らしているか
ご存知だろうか。

マスコミは通常、いじめ自殺事件の裁判が終われば取材から手を引き、
遺族の「その後」を報じることは殆どない。
私は、これまで複数のいじめ自殺事件の取材をした中でも、
この福岡の事件は発生当初から現在まで異例の長期間追いかけているため、
遺族の心身の変化を間近で見てきた。

当ブログでは今後、そのような取材で得た遺族の視点を紹介しながら、
「新」いじめ対策法のあり方を考察していく。

この国に依然として多発するいじめ問題を、
教育や司法、メディア報道の観点からどう見るか?
事件から時が経つにつれ、
亡き子への遺族の想いはどのように移り変わっていくのか?
いじめ自殺で子どもを失った経験は、遺族の人生にどんな影響を及ぼす?
自殺した子どものきょうだいが直面する問題とは?

いじめ自殺事件の当事者として、15年の月日を経験した方々だからこそ
語れる言葉がある。

不定期掲載。


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