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カテゴリー「違法・有害サイト対策とネット・リテラシー」の記事

2014年4月 1日 (火)

「ネットの嘘とリテラシー」でコメント(共同通信)

「ネット上の嘘」について新聞向けにコメントした。

現代社会はネットで簡単に嘘がつけてしまう。
それらの情報の真偽を見極めるために必要な
ネット・リテラシーとは何か?
についてお話。

アナログ時代の口頭などでの嘘のやり取りと比べ、
LINEやSNSなどによるネット上でのやり取りには3つの特徴がある。
「匿名性」「非対面性」「記録・保存・拡散性」だ。

こうした特徴により、
ネット上でつく嘘は、誹謗中傷やデマ、身分詐称などの形で
深刻化しやすい。

対策のためのネット・リテラシーとして肝心なのは
「誰が」「何のために」
その情報を流しているのかをまず意識すること。
さらに自分で「情報の出所をたどる」ことも重要だ。

より詳しいポイントは記事中で解説しているので
御参照頂きたい。

とはいえ今回は
共同通信経由で全国の新聞に配信されるため、
いつ、どこの新聞に掲載されるかは私にもわかりませぬ。

よろしければ念の為、
お手元の新聞をチェックしてみて下さいまし。

そうそう、新年度スタートにあたり
公式ホームページもリニューアルしました!
私の書斎にお招きする感じです。
Twitter_2

 




【最新刊!】

Photo_2
『性情報リテラシー』

 渡辺真由子著(Kindle版)

 望まない妊娠、中絶、デートDV……
  青少年の 「性的有害情報対策」としての
  メディア・リテラシー教育はどうあるべきか?

関連の動き色々



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2013年1月30日 (水)

【要旨あり】(児童ポルノ・創作物含む) 『性的有害情報の影響データ』調査研究論文

103 『性的有害情報に関する実証的研究の系譜~従来メディアからネットまで』
と題した論文を、情報通信学会誌に寄稿した。

この分野は近年、海外を中心にかなり研究が進んでいるが、
日本では2000年代半ば以降、ほとんど学術的報告がなされていない。

本稿はそれらの成果を新たに幅広くまとめ、
「性的有害情報に関して、海外国内の状況を概観した実証的・網羅的研究である」
との評を頂いたものである。

児童買春・児童ポルノ禁止法改正や青少年健全育成条例制定、
メディア自主規制等については様々な考え方があるだろうが、
性表現の影響に関する科学的なデータの必要性は共通していよう。
本稿が御参考になれば幸いである。

官公庁や企業、地方自治体による青少年保護対策として、
メディアの「どのような」性情報が、「なぜ」問題なのかを理解するにも
お役に立つだろう。

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【要旨】

  青少年による性的有害情報への接触は、インターネットの普及で容易になった。フィルタリングが必ずしも有効でないスマートフォンの登場がその傾向を後押ししており、新たな対策は急務といえる。
 本稿は、マス・コミュニケーションの効果研究において、性的有害情報に関する従来メディアの研究を概観した上で、ネット上の性的有害情報をめぐり海外で行なわれている研究の最新動向を伝え、ネットならではの影響特性や影響研究の限界についても分析した。性に関する情報が全て有害なのではなく、問題は、その描写内容に「性暴力」が登場するかどうか、さらには被害女性の反応をどう描くかにあることが示唆される。CGの発達やコミュニティサイトの相互作用性など、ネットの特性が生み出す実態にも目を向けねばならない。
 ネット上の性的有害情報への対策を技術的な規制のみに頼るのは限界がある。新たな自主規制・法規制の検討や、性情報の歪みやネットならではの特性を批判的に読み解くリテラシー教育が、家庭や学校において今後より求められよう。
(情報通信学会誌 30-2)
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なお、上記論文は学術界向けのため、
一般の方はまず『性情報リテラシー』
性的有害情報が青少年に与える影響の実態を把握して頂きたい。

Photo ・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
リテラシー教育はどうあるべきか?

 ⇒メッセージ&目次

・【お知らせ】大学客員講義 受付スタート!


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2012年12月 4日 (火)

12月12日発売!『性情報リテラシー』10.危うい避妊知識

Photo 前回お知らせした最新刊 『性情報リテラシー』の
表紙デザインが完成しました!
女子と男子の恋愛コミュニケーションがハッピーになりますように、との願いを
仲良し象さんに込めて……。

さらに発売日も決定。今月12日です!

今回は電子書籍なので、
出版社を経由しないのです。私にとっても初の試み。

なぜこのような形に挑戦したかというと……

その理由は、発売日に明らかにしましょう。

では、第10回を始めます。ダイジェスト版はこれが最終回!

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メッセージ 
前回

『性情報リテラシー』10.危うい避妊知識 (新聞連載・最終回)


外に出すのって、避妊じゃないんですか!?
驚きの声を上げるのはケンジ(
関連情報)。「避妊の一種かと思ってました。周りにも、そう信じてるヤツは多いと思います。AVでしょっちゅう、その場面出てくるし」

私が大学生男子に実施したアンケートでは、性交時の避妊方法として膣外射精を利用する者は2割を超した。だが実は、射精前の男性器からも、精子が含まれる液体は出ている。射精のときだけ膣外に出しても手遅れであり、避妊効果はない。

サトシ(関連情報)は、学校の性教育で「避妊にはコンドームを付けるべき」と知識としては学んだ。しかし、コンドームが手元になくても性交をしてしまう。

「大丈夫じゃないかと思ってしまうんです。根拠はないけど、なんとなく。AVを見ていても、コンドームを付ける場面はあまりないですし」

サトシは、「妊娠したら堕ろせばいい」と考えているようだった。中絶手術とは、女性の子宮に長い金属製のハサミのような器具をさし入れ、胎児をかき出す行為だ。これが女性の心と体に多大な負担をかけ、場合によっては2度と妊娠できなくなる可能性があることを、知っているのだろうか。 
「そうなんですか……聞いたことなかったです」

 女子にも、膣外射精の利用者は2割近くいる。

「相手がそういう人だから。大丈夫なのか、少し不安です」
「彼氏はコンドームが嫌いだったので、我慢していた」
「『ゴム着けて』って言って、場の空気が悪くなるのが嫌」

寄せられた声からは、女子たちが相手に流されている様子が伺える。

「彼氏とのHは初回が重要」と強調するのはキョウコ(関連情報)。挿入の前に「もちろんゴム付けるよね」と確認するという。

「コンドームを使っても、途中で破れたりしたら
100%安全じゃないことへの不安は結構あります。怖いからHしたくない、とか思って。だからこそ避妊は最低限のマナー。例え女の子が『きょうは安全日だからゴム付けなくていいよ』と言ったとしても、それを諭すぐらいの男じゃないとダメですね」

ちなみに「安全日」も実は危ない。排卵が必ずしも規則正しく起きるとは限らず、精子は一週間ほど体内で生きていることもある。避妊法としてはあてにならない。

女子の性交は、常に妊娠・中絶への恐怖と背中合わせだ。万が一望まない妊娠をして、心身ともに傷つくのは自分である。よくよく相手を見極め、自分を大切にして欲しい。

エリ(関連情報)は言う。

「うちみたいに偏差値が高い大学でも、コンドームを付ける男子と付けない男子に分かれますね。『大丈夫だよ』って、根拠のない自信があるみたい。お前が大丈夫なんじゃねーよ、みたいな。体が痛むのは女なんだよ、と思います」


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2012年11月28日 (水)

書籍化へ!『性情報リテラシー』9.演技ですか?

*「性リテ」ファンの皆さま、いつも御支持ありがとうございます。
今回はビッグニュースを。

この『性情報リテラシー』の完全版が、出版されることになりました!
しかも最先端の(?)電子書籍として。

・青少年はメディアの性情報にどのように接し、自らの性意識・性行動にどう反映させているのか?
・女子向けと男子向けの性情報の違いとは?
・メディアの性情報の歴史と内容分析
・女子と男子がメディアに求める 「こんな性情報が欲しい!」
・「性的有害情報対策」としてリテラシー教育はどうあるべきか

……等々、これまで正面から取り上げられることのなかった「性情報」をめぐる問題を詳細に語ります。

恋人との性的コミュニケーションに悩む若者のみんなや、
夫婦生活にいまひとつ納得がいかない方々におすすめ。
また、性教育や性的有害情報対策に取り組む教育・行政関係者にとっても、
貴重な資料となるでしょう。

出版時期は年内を予定。
最新情報は逐次ブログに掲載します。
チェックが面倒なあなたはメルマガ配信をどうぞ

では、第9回を始めます。

-----------------------------------------------------------------------
メッセージ 
前回


『性情報リテラシー』9.演技ですか?(新聞連載) 


相手の反応次第で、燃えもすれば冷めもする。性交の最中、男子は女子にどのような反応を期待するのだろうか。

「声を出してほしいですね」と言うのはマサユキ(関連情報)。
「AV女優のような反応があったら嬉しいです。声を出さないと、『あ、出さないんだ』と思っちゃう」

「恥じらい」を重視するのはケンジ21)。有名私立大学の経済学部に通う4年生のケンジは、新聞記者をしている父親の転勤で、小学校2年生までを北米、その後中学校2年生までを東欧で暮らした。国際性を買われてか、ケンジはこの取材の数日後に大手商社から内定をもらっている。

「女性は恥じらうのが普通、っていう認識があるので、『普通』が燃えるんです。漫画やアニメに『女の子はこうあって欲しい』的なイメージが多いから、清純な子への願望はありますね」

私が男子学生に実施したアンケートによれば、「声を出して欲しい」と望む者は75%。「恥じらって」は42%。さらに「『良かった』と言って」が67%に上った。

「良かったかどうか、ほんと気になりますね。フィードバックが何にしても欲しいじゃないですか、就職試験の面接のように」と、就職活動中のマサユキは言う。 

結局は、メディアに登場する女性像を、目の前の相手に再現してもらいたいようだ。だが、現実の女性の反応が虚構だったとしたら……。

「全部、演技でした」

赤裸々に告白するのはアユミ(関連情報)。
「気分が乗らないときは感じているフリをします。場を盛り上げないと、相手が終わらないじゃないですか。だから声をAVっぽく出すんです」

アユミは、彼氏と一緒にAVを見ることが多かった。
AVで描かれる女性像に、自分自身を合わせていたのである。
「気持ち良くないと相手に言うと、傷ついちゃうと思うんです。かわいそうだから、『私が
30分ぐらい我慢すればいい』と考えちゃいますね」

エリ(関連情報 )は「恥じらい」を演出する。
「『ちょっとやだ、恥ずかしい』とか、わざと言うことありますよ。男の子が見る漫画には必ずドジな子が出てきて、モテる設定なんですよ。ドジ踏んで『キャー恥ずかしい』とか言っている子が好きなんでしょ、みたいな」

女子学生へのアンケート結果では、「演技は全くしたことがない」という者は、なんと2割にも満たなかった。演技の内容は、「たいして気持ち良くなくても『良かった』と言う」が57%でトップ。「あまり感じていなくても声を出す」が僅差で後を追う。

メディアを模倣して無理を重ねる女子。しかし、それが相手のためになるだろうか。
「こちらを喜ばせるために嘘をつくぐらいなら、本音を言って欲しい」とヒロト(関連情報)。
演じていては、性をめぐる2人の距離はいつまでも縮まらない。

続く

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2012年9月24日 (月)

『性情報リテラシー』8.女性のノーはやっぱりノーか

お待たせしました!久々の連載再開です。今後も随時掲載予定。

メッセージ 
 >前回

(新聞連載) 

-------------

 

 「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉を、聞いたことがあるのではないだろうか。女性が嫌がるのは口先だけで本心は逆、との意味だ。

 ヒロト(関連情報)は、この言葉をまさに信じ込んだ1人である。ナンパした女の子を、食事の後に「ホテルどう」と誘った。「行って何するの」と問われ、「映画でも見よう」と答えた。「絶対何かするじゃん」と彼女は警戒する様子を見せたが、「しないから」と一緒にホテルへ。

 「その時点では、相手はHする理由をつけて欲しいのかな、と思っていたんですよね」とヒロトは振り返る。

 しかし、いざヒロトが迫ろうとすると、女の子は本当に嫌がった。結局その夜はベッドにヒロトが寝て、彼女は離れたソファーにうずくまり、テレビを見ながら一晩中起きていた。「何もしない」というヒロトを信頼した彼女にしてみれば、だまし討ちにあったようなものだろう。

だが、ヒロトは納得できない。
「その気がないならホテルまで来るなよ、とはめちゃめちゃ思います。思わせぶりな態度を取らず、もっと明確に意思を伝えて欲しいですね」

  女性は口では「ノー」と言っても性交を望んでいる、最初は嫌がってもだんだん気持ちよくなってくる……。こうしたストーリーは、AVや漫画に非常に多い。男性が女性に強引に迫る口実ともなる。

私が女子学生に実施したアンケートからは、女性たちの「ノー」が尊重されていない実態が明らかになった。

「嫌だと言っても聞いてくれなくてとても不快だった。私の気持ちより自分の欲求が大事なのかと、幻滅した」

「寝ている時に無理やり迫られた。 泣いてもやめてくれない」

「ノーと言っても本気のノーとは気づかず、エッチしようとしてきた」

「家にいたときに強引に誘われた。抵抗したが、無理やり手をまとめられた」
 

 一方、女子のあいまいな断り方が、男子の誤解をまねく場合もある。

エリ(仮名、21歳)は難関私立大学の文学部4年生。北陸出身で、学内の同級生と付き合って1年になる。
気分が乗らない時に彼氏に迫られても、なかなか強く拒否出来ない。

「断り方には気を使います。あまりはっきり断ると、傷ついちゃうんじゃないかと心配なんですよね」

男子がノーの見極め方を迷うように、女子もノーの伝え方を悩んでいる。

エリがいま欲しいのは「ランプ」だという。

 「Hしたいかどうかを示すランプが頭に付くといいのにね、って彼氏と話してるんです。せめて『ノーなんです』ってランプだけでもあれば、お互いに傷つかずに済むから」

続く

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2012年3月26日 (月)

論文『ネット性表現の規制とメディア・リテラシー教育』

慶應義塾大学の国際学術誌
「Keio Communication Review」に、
論文を寄稿した

ネット上に氾濫する性的有害情報に対して、
日本における規制及びメディア・リテラシー教育の現状と
今後への提言を述べたものである。

今回は英語論文ということで、
以下は英語ユーザーの方向けの概要:
WATANABE Mayuko, ‘Regulations and Media Literacy Education on Online Obscene Harmful Information: A Japanese Perspective.’ Keio Communication Review No.34, 2012.

Abstract

This paper presents a Japanese perspective on measures against online obscene information. A research question is set on what kinds of measures are required in order to protect youth from the harmful influence of online obscene information. The paper firstly examines measures initiated by both national and local governments as well as by cell phone carriers, and secondly explores how to protect youth from potential online obscene dangers toward them. Lastly, the paper investigates the impact of online obscene information on Japanese young people’s behaviors and values in comparison with that of other countries in an attempt to provide the basis for accurate measures. The results of the research found that online obscene information has some significant impact on young people, including the increase of the curiosity for obscene crimes. 

Keywords: Media literacy; Internet education; Mobile communications; Contents regulation; Harmful information; Child pornography


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2011年7月 7日 (木)

国際学会で「ネット性情報の規制と教育」

台湾の台北にて開催された国際学会
International Telecommunications Society で、
「ネット上の性的有害情報に対する日本の規制と教育」について
発表した。

以前『慶応大学メディア・コミュニケーション紀要』に
寄稿した内容に関連するものだ。

日本の場合、
携帯からネットを利用する子どもが
海外に比べ非常に多い。
この国の性的有害情報に対する取り組みは、
世界のリーディング・ケースとなる可能性を秘めている。

海外の通信・メディア研究者は
日本の性的有害情報事情に
どのような反応を示したか?

詳細をメルマガ『渡辺真由子の週刊メディリテ!』にて
報告しているので、
ご興味ある方はどうぞ。

【参考文献】
性的有害情報が青少年に与える影響を知るには……
『性情報リテラシー』

Photo ・子ども達はメディアの性情報にどのように接し、
 自らの性行動・性意識にどう反映させているのか?

・「性的有害情報対策」としての
リテラシー教育はどうあるべきか?

 ⇒メッセージ&目次 

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2011年4月24日 (日)

【論文】ネット性情報が「歪んだ異性観」を促進する可能性

『慶応大学メディア・コミュニケーション紀要』に
論文を寄稿した。
「ネットの性情報に対する規制と
メディア・リテラシー教育の国際比較」
について。

インターネット上の違法・有害な性情報をめぐり、
・日本の規制とメディア・リテラシー教育の現状
・カナダの規制とメディア・リテラシー教育の現状
を比較、分析した研究結果を報告している。

ネット性情報への対策として、
日本の政策は規制面に偏る傾向があるが、
カナダは教育に力を入れていることが
明らかになった。

また、日本をはじめ世界の若者が
ネット上に溢れる性表現をどの程度目にしており、
そこからどのような「異性観」を得ているかを、
アンケート調査から分析。

注目すべきは、
青少年の異性観に、ネットの性情報が与える影響に関する
以下の結果である:

児童ポルノサイトを見た感想として、
「児童への性的好奇心が高まる」
「児童へ性行為をしてみたくなる」と答えた者が各4.5%いた。

さらに、女性全般への性犯罪と見なされる行為(痴漢や強姦など)を
性的興味を満たすために取り上げるサイトを見た者に至っては、
「そのような性行為への性的好奇心が高まる」と答えた者は
全体で実に1 割近く、9.3%もいた。

ネットをきっかけとする性犯罪の被害者は、「児童だけ」ではない。
児童ポルノのみならず、「ポルノ全般」への規制や教育のあり方も、
今後議論されるべきであろう。

なお本調査は、電通の吉田秀雄記念事業財団から助成を受けた
共同研究に基づく。
近く、海外で開かれる国際会議でも発表する予定である。

2010年8月25日 (水)

韓国の有害サイト対策とネット・リテラシー教育

Cimg0021昨秋に引き続き、2度目の韓国訪問。
有害サイト対策とネット・リテラシー教育について
調査するためである。

まずは「韓国インターネット自律政策機構」へ。
国内の大手ポータルサイト企業等で形成する
自主規制機関だ。
韓国には既に、政府系のネット規制機関が存在する。
これに対し、民間の自主規制機関は、
政府の介入をけん制する目的で作られたという。
主なポータルサイト企業は全て会員になっているので、
有害と判断した場合の影響力は大きい。

日本にも民間の自主規制団体としてEMAがあるが、
「フィルタリングの対象にするか否か」の判断が
焦点となっている。
これでは、フィルタリングを利用していない者は
相変わらず有害サイトにアクセス出来てしまう。
フィルタリングとは切り離して有害性を判断する
自主規制機関が必要だ。

続いて「韓国インターネット振興院」へ。
ネット・リテラシー教育を手掛ける政府系機関である。
韓国では3歳~6歳の子どもの既に約70%が
ネットを利用しているため、
保育園や幼稚園でのネット教育を検討中とのこと。

小中学生向けへのネット・リテラシー教育については、
教材を見せてもらった。
個人情報保護や著作権などのテーマ別に何冊にも分かれ、
実際のコンテンツ制作と連動させた
非常に充実した内容である。
日本のネット教育にも参考になるだろう。

ところで冒頭の画像は
仁川空港の女子トイレ個室にて。
韓国にも「音消し」機能があるんですねえ。

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メディアの性情報が子どもに与える影響、
児童ポルノ規制・性教育のあり方、
東京都青少年健全育成条例、
メディアと性行動の関連アンケート調査、データ etc......
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2010年3月17日 (水)

有害サイト・児童ポルノ問題で講義(東京都男女平等参画施策検討会)

東京都男女平等参画施策検討会にて、講師を務めた。
「性的有害サイト・児童ポルノ問題」における
日本と海外の現状・対策について。

昨年、欧米を訪問調査した結果をもとに、
カナダ、韓国、日本それぞれが
どのような有害サイトトラブルに直面しているか、
規制やメディア・リテラシー教育を
どのように実施しているかをご紹介した。

さらに、性情報が与える影響についても。
日本ではあまり知られていないが、
ポルノと性犯罪の関連性を示す研究結果は
海外で複数出ている。
巷には、「ポルノは性欲を解消させ性犯罪を減らすのでは」
と推測する声もあるが、これを立証した研究はない。

日本でもようやく、東京都青少年健全育成条例の改正案が
非実写版(漫画やアニメ)の児童ポルノを規制する動きが見られる。
「表現の自由」という言葉に思考停止にならないようにね、民主党。

都の担当者の方は
拙著『オトナのメディア・リテラシー』を読まれ、
「知らないことが沢山あった」とのこと。
有害サイト対策を議論するなら、
メディアの影響をきっちり理解せねばならない↓

      
オトナのメディア・リテラシー
オトナのメディア・リテラシー

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☆いよいよ始まりました『週刊メディリテ!』。
  第2回 「児童ポルノ規制のあり方」
      →表現の自由より優先されるべきものは?

☆『30歳からの留学を成功させるコツ』
 今回は
 ■「オーロラで運だめし」
  →マイナス20度の地で……

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