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2012年8月 6日 (月)

子どもたちへ2.いじめられている人へ

*出典は拙著 『大人が知らない ネットいじめの真実』
既に読まれた教員の方からは、「道徳の授業で使いたい」等の御連絡を頂いている。
新たに引用されたい方も、ご一報下されば幸いである。
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>1.友人を守るために <3.いじめている人へ

 

2.いじめられている人へ

いじめを受けているあなたは、苦しい日々を過ごしていることだろう。自分の性格や外見がこうだからいじめられるのだと、自分を責めているかもしれない。

 だが、あなたは全く悪くない。いじめが起きる責任は、いじめられる側にではなく、いじめる側にある。あなたがどんなことをしたとしても、あなたの家庭環境がどうであっても、いじめられていい理由にはならない。あなたは人間として、健康的な生活を営み、差別をされない「権利」を持っている。その権利を侵そうとする、いじめっ子の方が悪いのだ。

 いじめる人は、あなたを困らせて楽しんでいるだろう。ストレスを発散しているだろう。なぜ彼女ら彼らは、そのようなことをするのだろうか。

いじめる人の心は、病んでいるのだ。家庭で親とうまくいっていなかったり、別の人からいじめられていたり、無理やり勉強をさせられていたりして。いじめる人は本当は自分に自信がないので、誰かを見下すことで優越感を得たいと望んでいる。だから、いじめをするのだ。自分の不満を吐き出すために誰かを犠牲にせずにはいられない、可哀想な人たちだ。

そうは言ってもあなたとしては、加害者のストレスのはけ口にされるなんて、たまったものではない。出来れば、「これはいじめだ」と気づいた段階で、先生と親に報告しよう。あなたは悪くないのだから、堂々としていればいい。ネットいじめにしろ、実生活でのいじめにしろ同じだ。自分がいじめに遭っているのを知られることは、恥ずかしいだろうか。いじめを受けることを恥ずかしく思う必要はない。相手の辛さを思いやれずにいじめをすることこそが、人間として未熟で、恥ずかしいことなのだ。先生や親に告げれば「チクッたな」と報復されるのが心配だろうか。報復されたら、それをまた信頼できる大人に知らせればいい。大人には知恵があるから、何とかしてくれるはずだ。

特に、親など最も近くにいる大人は  、いつでも子どもの力になりたいと思っている。あなたは身近な大人に心配をかけたくなくて黙っているのかもしれないが、その人はあなたに作り笑いをされるよりも、悩みを打ち明けてもらう方がずっと嬉しい。守ってやりたいから。

どうしてもまだ先生や親には言いたくないというときは、電話相談を利用してみよう。名前を言う必要はなく、秘密厳守であなたの話を聞いてくれる。また、こんなときこそ匿名で使えるインターネットが役に立つ。いじめられている人のための相談掲示板が色々ある。あなたと同じような体験をした人から、アドバイスがもらえるかもしれない。そうやって、自分の悩みを言葉にして外に出して、誰かと共有しよう。一人で抱え込んでしまうと、心と体がそのうち悲鳴を上げる。

いじめを受けていると、学校生活は針のむしろに座っているようなものだろう。これを逃れる方法は二つある。一つは、ひたすら耐えること。冗談じゃない、と思うかもしれないが、日本人の平均寿命は約八十年。いじめに苦しむのは、長い人生の中のわずかな期間だ。加害者はいずれ、あなたをいじめるのに飽きる。そうでなくとも、学校を卒業すればおさらばすることが出来る。いじめられる立場になったことで、あなたは「心の痛み」を知った。自分がどのような言動をとれば、相手をどんな風に傷付けてしまうのか、想像できるようになっただろう。辛い思いをした者は、そのぶん他人に優しくできる。このいじめは、あなたがより心の豊かな人間に成長するためのトレーニングなのだ。トレーニングに耐え抜いた経験は、これからあなたが先の長い人生で多くの人に出会い、仕事をし、家庭をつくるなかで必ず役に立つ。だからいまは息を潜めて、嵐が過ぎ去るのを待とう。

だが、いじめの内容がちょっとやそっとの我慢でやり過ごせるものではなく、とにかく加害者にはもう会いたくないと、あなたは思っているかもしれない。度を過ぎたいじめの被害は、あなたの心身に長期的な影響を及ぼし、今後の人生をも狂わせてしまう。この場合は、速やかに避難した方がいい。つまり、学校へ行くのを止めるのだ。

学校を安全な場所にするのは先生たちの責任で、加害者にいじめを止めさせるのはその親の責任だ。いじめる人の心の病が治るまで、あなたは学校へ行く必要はない。勉強は自宅での通信教育や家庭教師、不登校者向けのフリースクールなど、様々な形で出来る。親は心配するだろうが、学校へ行っていじめられ続ける方が、よほど勉強に集中できない。

そして、いじめられた悔しさを勉強にぶつけよう 。自分に自信をつけるためと、地元から脱出するためだ。日本の社会は何だかんだ言っても、成績が良い者に有利な仕組みになっている。レベルが高い学校へ進んで、いじめた人を見返すのだ。遠方の学校を選べば、加害者から逃れることも出来る。進学が経済的に苦しい場合でも、成績が良ければ奨学金が出る。

注意しておくが、「死にたい」と思うぐらい辛くても、自ら命を絶つのは避けること。そんなことをしたら加害者の思うツボだ。いじめる人は、相手をコントロールすることに快感を味わう。自分の影響力がどれだけ強いかを、確かめたがっている。もし相手が自分のいじめのために死んでくれたら、それこそ最高の影響ではないか。

「加害者の名前を遺書に書いて自殺したら、懲らしめてやれるかもしれない。反省してくれるかもしれない」

と、あなたは淡い期待を抱くだろうか。だが、いじめ自殺事件の多くで、加害者に反省の態度は見られない。森啓祐さんが自殺したとき、加害少年たちは「あいつ死んで、せいせいした」と口にし、笑いながら棺の中を覗き込んだ。さらに啓祐さんの自殺後も、他の生徒にいじめを繰り返したという。古賀洵作さんをいじめ自殺に追い込んだ加害少年たちのほとんどは、事件直後に遺族へ謝罪することはなく、線香一本上げにも来なかった。少年院を半年で出た後は、夜の街をバイクで暴走していた。いじめ自殺事件の裁判は全国で起きているが、加害者側の大半はいじめの事実を否定し、謝罪を拒み、遺族側と争う。

 あなたが自ら命を絶てば、いじめる人を喜ばせるだけだ。代わりに、家族や親戚、友人など、あなたの大切な人たちを一生悲しませることになる。その選択は、得策ではない。

>1.友人を守るために <3.いじめている人へ

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出典:
 渡辺真由子 著

 
『大人が知らない ネットいじめの真実』

 

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