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2012年7月26日 (木)

子どもたちへ1.友人を守るために

大津のいじめ自殺がマスコミに取り上げられて以来、他地域でもいじめ問題が相次ぎ明るみに出ている。折しも夏休み、子どもたちは「いじめ」について、改めて考えを巡らせていることだろう。

今回から、いじめの「傍観者」「被害者」「加害者」へ向け、3回にわたりメッセージを掲載する。思索を深める一助になればと願う。

*出典は拙著『大人が知らない ネットいじめの真実』
既に読まれた教員の方からは、「道徳の授業で使いたい」等の御連絡を頂いている。
新たに引用されたい方も、ご一報下されば幸いである。
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 <2.いじめられている人へ <3.いじめている人へ

子どもたちへ1.友人を守るために

 あなたの大切な友人がいじめられたら、どうすればいいのだろうか。その人の悲しみを思うと、辛いことだろう。あなたにも出来ることはある。

 最初は、その人がいじめられているのかどうかは、よくわからないかもしれない。あなたの目には、ただの悪ふざけに映るかもしれない。だが、やられている方は顔が笑っていても、心で嫌がっているときがある。友人がふさぎ込んだり、口数が少なくなったり、いつもと様子が違ったりしたら、「どうした」と声をかけてみよう。その人は最初、「何でもない」と言うかもしれない。いじめられているのを知られるのは、恥ずかしいのだろう。ちっとも、恥ずかしいことではないのだが。二人きりになってじっくり話を聞いてみよう。そのうちきっと、悩みを打ち明ける。本当はあなたに、気づいて欲しかったのだ。

 いじめを受けている人の心は、弱っている。悪口を言われて、自信を失くしていることだろう。でも、いじめの標的になるのは、その人が悪いからではない。どんな性格や外見であろうと、いじめられても仕方がない理由にはならない。加害者は、自分の方が他人より上に立ちたくて、一生懸命いじめる口実を作る。理由は何でもいいし、相手は誰でもいいのだ。

 だから、「私はあなたのことを何も悪く思っていない」と友人に伝えよう。「大丈夫、私がいるから」と、弱った心を支えてあげよう。

その人とは、いつも一緒にいるようにする。学校の休み時間や下校のとき。その人は、いついじめられるかとビクビクしている。一人にさせないようにして、加害者に、いじめる隙を与えないのだ。ネットの掲示板上やメールで誹謗中傷を受けているのなら、その内容を見せてもらおう。もしその子が嫌でなければ。一緒に受け止めてあげることで、辛さは半分になる。

その人といると、あなたもいじめられるだろうか。本当は加害者に「止めろ」と言いたいのに、先生に報告したいのに、自分もやられるのが怖くて出来ないかもしれない。だが、一人の加害者によるいじめ行為を、他のクラスメートみんなが見て見ぬふりをしたらどうだろう。周りで笑ったり、はやし立てたりしたらどうだろう。被害者にとっては、クラス中の全員にいじめられているのと同じだ。いじめという「ショー」において、傍観者は観客である。主人公の加害者は、観客の視線と拍手を背中に感じ、ますます張り切っていじめる。被害者は、いじめられる姿を観客の目にさらされることで、より深い苦痛と惨めさを味わう。

 

あなたが一人で加害者に立ち向かうのは、確かに簡単ではない。ならば、他の傍観者たちと一丸となってはどうか。「みんなでやれば怖くない」である。周りの人に、味方になってくれるよう頼もう。ただし、あなたが一人でいきなり傍観者集団に声をかけても、鼻先であしらわれるのが関の山だろう。多数派に安住していたいのが人間の心理だからだ。ポイントは、傍観者と「一人ずつ」話をしていくことである。傍観者も実はそれぞれ、後ろめたさを抱えている。あなたの友人がいじめを本当に嫌がっていること、皆で守ってあげたいことを伝えれば、きっとわかってくれるはずだ。名付けて、「個別懐柔作戦」。


ノルウェーでは、学校の教室全体で、いじめを許さない雰囲気作りに取り組んでいる。いじめ研究の第一人者が開発した「いじめ防止プログラム」に基づくものだ。生徒たちは次の四つのルールを習う。

・「私たちは、いじめをしない」
 ・「私たちは、いじめられている人を助ける」
 ・「私たちは、取り残された人を仲間に入れる」
 ・「もし誰かがいじめられているのを知ったら、私たちは先生と親に言う」

 学校は定期的に各教室でいじめに関する授業を行ない、生徒たちはいじめに対する自分の意見や、なぜいじめてはいけないのか、どうすれば減らすことが出来るかを話し合う。教師は、いじめに対応するための専門的な研修を受ける。保護者も学校単位と教室単位のミーティングに参加し、いじめの被害者と加害者が抱える問題や、学校がどう取り組もうとしているかを学ぶ。

 このプログラムは、ノルウェー政府の予算で国中の小中学校に導入されただけでなく、アメリカやイギリス、ドイツでも利用されている。生徒たちは教室内のいじめ行為に厳しい目を向け、被害者をかばうようになり、いじめは三〇%から七〇%減少したという

 いじめは多くの場合、先生の目の届かないところで起きる。いじめの芽を最も早くつめる立場にいるのは、あなたたち生徒だ。ノルウェーのように、教室全体でいじめに取り組むことを先生に提案してみてはどうだろう。それに子どもは、大人よりも子どもの言うことを聞くのだから。

 一方ネット上のいじめであれば、表向きは匿名として書き込むことが出来るので、あなたもかばいやすいだろう。身近な友人はもちろん、掲示板やSNSで知り合った面識のない「友だち」も、ネットいじめに遭うことがあるかもしれない。プロフのゲストブックに悪口を書き込まれたり、掲示板に実名を出されたり。そんなときあなたが出来るのは、決して同調したり、煽ったりする書き込みをしないということだ。「私も○○はウザいと思う」とか、「○○の写真貼ってよ」などと閲覧者(=傍観者)たちがけしかけると、いじめる人は調子に乗って誹謗中傷をエスカレートさせる。

 逆に、「止めろ」と書き込んでみよう。一人だけで止めようとしてもあまり効果はないので、ハンドルネームを使い分け、あたかも多数の人がいじめに反対しているように見せかける。ある学校裏サイトでは、特定の生徒が悪口の攻撃を受けていたが、他の生徒たちが加害者に向けて「こそこそ悪口言うのは止めなよ」「セコい奴」などと何度も書き込んだことで、おさまった。子どもたちの間で、自浄作用が働いたのである。また、被害者にメールなどで直接連絡をとり、相談にのるのもいい。あなたの一言が、いじめられ心細くなっている友人を、勇気付けるのだ。


<2.いじめられている人へ <3.いじめている人へ

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出典:
 渡辺真由子 著

 
『大人が知らない ネットいじめの真実』

 

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