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2012年7月 6日 (金)

いじめ自殺 親のそれから(後編)

『いじめ自殺 親のそれから~8年かけて見えてきたこと』(後編)
(AERA 2007年3月5日号。肩書、年齢などは当時)
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前編

8年前の事件以来、和子さんは1日3時間ほどしか眠れない日が続く。夫の秀樹さん(56)は何もする気力がわかず、家にこもるように。息子の自殺に加え、後に裁判に踏み切ったことが、夫婦の気力と体力を完全に消耗させた。訴訟費用を工面するために、保険を解約して、借金もした。

「裁判を起こすってものすごく勇気がいることなんよ。時間も気力もお金もかかるし、地域の好奇の目にさらされるからね」

 文科省が、問題点を開示する方向でマニュアルを作れば、裁判を起こさなくても済むのでは……。
 遺族が最も望むのは、子どもが死を選ばねばならなかった真相の究明だ。しかし、学校や教育委員会が調査をするのでは、どこまで真実に迫れるのか疑わしい。


【筑前町は第三者が調査】

 その点、筑前町では一歩前進があった。町の教育委員会は11月に、学者や、児童相談所長、保護司ら、7人からなる第三者の調査委員会をつくった。遺族の参加はかなわなかったが、この委員会が、校長、遺族から話を聞き、教職員と生徒にはアンケートを実施して、12月に報告を発表した。その報告は、今後はすぐにこうした調査委員会を立ち上げるよう、提言している。

 同級生だった加害少年たちのことも考えて思い悩む美加さんに、和子さんは「いい人になろうとせんでいいんよ」と話した。

 一方で和子さんは自分の体験から、法廷で争った結果として加害者側から責任と謝罪を引き出しても、何も残るものはないと思う。遺族側と加害者側が、直説対話できる場もあれば、と思う。

「自分がやったことの重大さを理解させ、親にも、子どもの心がなぜそんな風に育ったのか自省する機会にしてもらわんと」

 子どもの「心」を育てないと、いじめの抜本的解決にはならない。それがいまの和子さんの結論だ。洵作さんの時も啓祐さんの時も、いじめた側は自分の行為を「冗談だった」と語った。自分がされたらどうなるかという想像力が、子どもの心に育っていないのだ。

「文科省は、教育にもっとお金をかけてほしい。現場の教師の声を吸い上げてほしい。そして何より、『相手を思いやる心』の育成に取り組まんといかん」

 洵作さんは柔道、啓祐さんは空手にたけていた。しかしその力を、人を傷つけるために使うことはなかった。

「相手の痛みがわかるから、いじめの標的にされても、けんかには応じん。弱いんじゃなくて、優しかったよ。優しい子が死なんといかん社会はおかしい」


【子どもの心を育てたい】

 昨年11月に開かれた、参院文教科学委員会。伊吹文明文科相はこう言った。

「いじめられる側にも、その子どもの性格などに起因するものが全くないとは言えない」

それなら子どもはいくらでも理由付けをする。あぜんとした。

「人はみな違って当たり前やき。それをいじめの口実にさせるんじゃなく、多様性を認め合うことを教える。それが心の教育と思うよ」

 この8年間、息子には「守ってあげられなくてごめんね」と、謝ってばかりいた。いまは、遺影にこう語りかける。

「洵くん、子どもたちの心を育てないかんよね。あんたのような犠牲者は、二度と出したらいかん」

 

取材・文 渡辺真由子

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